自然と旅

自然や旅、キャンプやアウトドアに関する事などについて、自分が感じたことや思った事などについて書いています。

【短編小説】 自然の恵みを食すブッシュクラフトキャンプ 『前編』

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「はい、じゃあこれが遊漁券ですね〜」

「どうも、ありがとうございます。」

、、、僕は今、渓流釣りをする為、遊漁券を貰い、山奥にあるキャンプ場へと車を走らせていた。

キャンプを始めてから、「ブッシュクラフト」と言うキャンプスタイルに憧れて、少しずつ使う道具もコンパクトになったり、原始的と言うか、逆に手間のかかる物になったりと、今では少ないキャンプ道具でキャンプをする事に慣れてきた。 ちなみに今回はキャンプと渓流釣りをして、釣った魚を串焼きにし飯盒で炊いたご飯をキャンプ飯にする予定、、、。

季節は秋口、車を運転しながら「山の方では少しずつ紅葉をし始めただろうか?」 「渓流釣りをしながら紅葉も楽しめたら良いなぁ」なんて僕は考えていた。

山奥のキャンプ場へと続く細い道、徐々に木が生い茂る原生林のような雰囲気の風景に変わってきて、車の窓を開けると、少し肌寒く感じる空気が入ってくる。 山奥へ進むにつれ段々と肌寒さも増し、それと共に木々が紅葉をし始めてきているのが分かる。

キャンプ場に着くと紅葉と緑がまだ混同していた、この風景(季節の変わり目)を味わえるのもこの季節ならでは、、、僕は車を降りて一旦立ち止まり、山奥の澄んだ空気をめい一杯吸った。

「スゥー、、、ハァー、、、。」

、、、呼吸をする度に、身体の中の何か悪いものが浄化されていくような感じさえする。美味しささえも感じる空気を、僕はじっくりと味わい、自然と一体になった、、、と思い、、、とりあえず今日の目的でもある渓流釣りをするために、車を停めた下の方にある、川の方へいく事にした。 車からバックパックと釣り竿を下ろし、ここからは緊急時以外、車に戻らないと決めて川のある方へと向かって行く。

川の方へ向かう道中も色付き始めているモミジやカエデを眺めて、自然の美しさを体感する。

そして川に近づくにつれ、川の流れる音が徐々に大きくなっていく、それまで色んな自然の音が聴こえてきたが、近づくにつれ聴こえてくる音が限られてきた。

よく耳を澄ますと、、、。

「ザァー、、、チュン、チュン、、、ザァー、、、。」

山奥のキャンプ場、川の流れる音の中に、鳥の鳴き声が聞こえる。まるで僕を歓迎してくれているようだ。気のせいだろうけど、、、。

ひとまず僕は、今回の宿営地を決めることにした。 今回は「食(魚)」と米を炊く時に使う「水」の確保を川からするので、川からなるべく近いところに設営したい。

上流にはダムも無いし最近は天気も良くて、ほぼ増水の心配も無さそうだ。 でも川の近くは夜になると今以上に寒くなると思うから、少しでも翌朝、すぐに陽の光を浴びれるよう、太陽が上がる方角に木などが遮っていない場所を選ぶ。

そして僕は好条件の場所をひたすら探した。 ちなみにこうやって場所探しをしている間にも、薪として使えそうな木の枝などがあったら拾うようにしている。時間を効率よく使う為。

「ガサッ、ガサッ、パキ、、、。」 探している途中に、落ち葉と木の枝を踏むと鳴る音が心地良くて、ついつい踏んでしまう。

そして今回の宿営地に良さそうな場所を見つけた。 「よしっ、ここにしよう! ここなら陽もあたるし、川にも近い、そして何より「平坦」だ。」

そう、ここでもう一つ僕が宿営地を選ぶ際のポイントとして求めていたのが「平坦」な場所であること。 ブッシュクラフトは、まぁ、人によるけど、僕なんかは地面にただ簡易的なシートを敷いてその上にキャンプ用マットを敷くだけなので、少しでも斜めになっている所を選ぶと、心地良く眠れなかったりする。 なので、宿営地を探す際に「平坦」な場所と言うのは重要な要素になってくる。

場所を探して数分、僕は途中に拾った薪と荷物を置き、精一杯背伸びをした。 ここが今日、キャンプをする所と考えるとなんだか家に帰ってきた気分になる。

僕はまずタープを張ることにした。 最初は長い木の枝を支柱代わりにしようと思っていたが、近くに良い感じの木が2本あったので、この木にロープを巻き付けてタープを張ろうと思う。

「よし、とりあえずタープの上の方は張った。後は下の方をペグを使い、、、。 あっ!そうだ!今回はペグを持ってきていないのでペグも作らないといけないんだった。」

僕はさっき拾っていた木の枝から良い太さの物を探し、バック横のモールに引っ掛けておいたナイフを取り出し木の枝を加工し始めた。 まずは地面に刺さり易いよう、先を尖らせて、叩く所を角を取る感じで少し丸くする。 そしてロープを引っ掛けるための切り込みを入れる。 これを2本、、、いや一応4本用意して2本はペグとして使い、後2本は何かに使えるかも知れないので一応持っておく事にした。

「サクッ、サクッ、、、。」ささくれの様にめくれ上がっていく木片、ナイフの刃を背中部分から押して削っていく。「よし出来た、、、。」 

僕は木の枝で作ったペグを使い、ビロンビロンになっていたタープを張る。ハンマーも持って来ていなかったので、近くにあった手ごろな大きさの石を使いペグを打ちつける。 「カンッ!カンッ!、、、。」 タープを張り終わりタープ下にシートを敷いてその上に折り畳み式のマットを敷いて最初の段階は完成した。

後はもう少し薪に使えそうな木を集めるのと、直火をする為の地面に穴を掘っておく。 僕は先に穴を掘っておく事にした。川の近くなので掘ったばかりだと地面の中が湿っている可能性がある。のちに火を起こす時に湿気で火が着かないなんて事にならないように、早めに穴を掘っておいて少しでも地面の中が乾燥するようにしておく事にした。

そして薪として使う木の枝を拾い集め、薪を置く際に下に木の枝を置いて、薪を浮かせて置く、こうする事で少しでも乾燥させておこうと言う魂胆だ! と、これで今回の宿営地はほぼ完成した。 

うん、なかなか無骨感があって良い! 2本の木の間にオリーブ色のタープ 、カーキ色のグランドシートにタンカラーのマット、モールが沢山付いているバックパックなど、実に無骨感! でもまだバックの中にはいろんな無骨ギアがあるので、後から出すのが楽しみだ。

とりあえず、自分好みになっていく宿営地を眺め終えて、そして僕は今回の目的の一つである、渓流釣りをするために釣り道具を手に取り、川の方へ向かって行った、、、、、、。

【短編小説】 自然の恵みを食すブッシュクラフトキャンプ

続く